静岡県熱海市の伊豆山地区に大きな被害をもたらした土石流から一夜が明けました。複数の安否不明者がいるとみられる中、救助に向けた活動が続いています。一日の動きをタイムラインで詳報します。
11:20
熱海市「捜索を再開」
熱海市の広報担当者は、雨が強まった影響で一時停止していた伊豆山地区での警察や消防、自衛隊による安否不明者の捜索が午前10時18分に再開されたことを明らかにした。
09:50
現場に警報音、捜索停止
安否不明者の捜索が続く土石流の現場では、雨が降り続いている。午前9時50分ごろ、伊豆山地区に土砂災害の危険を知らせる「エリアメール」が熱海市から流れ、近くにいる人たちの携帯電話が一斉に鳴った。「伊豆山地区では、これまでの雨により土砂災害の危険性が高まっています。土砂災害に十分注意してください」という内容だった。
捜索現場でも同じ頃、土砂災害の危険を知らせる警報が鳴り響き、「緊急退避」という号令と笛の音を受けて、消防隊員らが全力疾走で現場を離れた。
静岡県によると、雨が強まった影響で、午前9時50分現在、捜索の一切を一時停止した。
09:00
ビル3階の男性を救助中
警視庁は熱海市伊豆山の下流付近で4日午前9時前に捜索を開始。逢初橋近くの5階建てビルの3階に取り残された男性一人の救助に当たっている。
警視庁の警察官は「大丈夫ですか」「いま救助しますから待っていてください」と大声で男性に呼びかけ、男性はベランダから身を乗り出して応じていた。
ビルは高さ約150センチの泥で囲われ、複数の重機で泥をかき出している。
逢初橋がかかる国道135号付近は、土石流で流されたバスや車などが泥に埋まったままの状態だ。
08:50
気象庁「厳重な警戒が必要」
東海と関東に記録的な大雨をもたらした梅雨前線は4日、日本海まで北上し、北陸や中国、九州北部で大雨となるところがある見通しとなっている。気象庁によると、5日にかけて日本海側では局地的に1時間50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れも。これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっている東海を含め、厳重な警戒が必要という。
静岡県熱海市の観測点では、3日午前の土石流発生後も断続的に雨が続いている。熱海市を含む伊豆地方では、5日にかけて多いところで1時間雨量30~40ミリの激しい雨も予想されている。
関東でも降雨は続くとみられ、これまでの大雨で地盤が緩んでいるところがあり、気象庁は4日夕にかけて土砂災害に警戒を呼びかけている。
07:50
伊豆山地区、なお20人が行方不明
静岡県熱海市の土石流被害で、斉藤栄市長は4日朝の災害対策本部の会議後、伊豆山地区で被害にあった建物が約80棟と推計されると明らかにした。亡くなった人は女性2人で、なお約20人が行方不明だという。行方不明者とは別に、3日夜に救助された人は男性6人、女性4人の計10人いたという。
警察や消防、自衛隊の約700人が伊豆山地区で救助活動を続けている。4日午前6時現在、市内の約10カ所に約390人が避難している。
07:30
土石流現場、様子見に来る住民も
4日午前7時半、土石流のあった静岡県熱海市伊豆山の岸谷地区では、規制線が張られ、警察官や自衛隊員らが慌ただしく行き交っていた。
雲が低く垂れ込め、雨が本降りになるなか、規制線のところまで様子を見に訪れた住民もいた。
規制線の中に自宅がある田中公一さん(71)は、妻路子(みちこ)さん(70)と連絡が取れていない。「妻が埋まっているかもしれない。昨日から不安で落ち着かない。昨日も今朝も妻と連絡が取れない。無事だといいが……」と、自宅の方を心配そうに見つめていた。
07:00
「72時間が大事」熱海市長が呼びかけ
静岡県熱海市役所では4日午前7時、県や市、消防や警察などの関係者が集まり、災害対策本部が始まった。斉藤栄市長は会議の冒頭で、「二次災害を防がねばならないが、昨日からの72時間が人命救助の一番大事な時間になる。情報収集、避難所の対応など救助活動のバックアップのためにも持ち場の仕事に全力を挙げてほしい」と呼びかけた。
06:00
捜索・救助作業始まる
土石流発生から一夜明けた静岡県熱海市の現場では、4日午前6時、自衛隊、消防、警察による本格的な行方不明者の捜索と、救助作業が始まった。
05:30
JR東海によると、大雨の影響で運転を見合わせていた東海道新幹線の東京―新大阪間について、4日の始発から通常通り運転を再開する。
東海道新幹線は3日、小田原―熱海間で線路構造物を確認するため、東京―新大阪の全線で運転を見合わせていた。点検の結果、運行に支障がないと判断した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル